FIMの移乗の項目(ベッド・椅子・車椅子・トイレ・浴槽・シャワーチェア)の採点事例

ADLを評価するFIMの採点方法の中でも「移乗」の項目である「ベッド・椅子・車椅子への移乗」「トイレへの移乗」「浴槽・シャワーチェアへの移乗」が難しいと感じる方はいませんか?FIMの移乗の項目に着目して採点事例を、使用する福祉用具や実際の動作状況、椅子の位置の修正、スランディングボード、ポータブルトイレの使用など、具体的なケース事例を交えて何点になるのかを紹介します。

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FIMの移乗項目の採点基準について

FIMの移乗項目の採点基準について

FIMは、運動項目認知項目全18項目で構成されていますが、その中でも運動項目のFIMの点数付けで最低限知っておきたい採点基準をご紹介します。

基本的には以下の基準に沿って、それぞれの項目を1点~7点で点数付けしていきます。

 

【FIMの採点基準】
●7点(完全自立)
補助具または介助なしで「自立」して行える。
●6点(修正自立)
時間が掛かる。装具や自助具、服薬が必要。安全性の配慮が必要。
●5点(監視・準備)
監視・準備・指示・促しが必要。
●4点(最小介助)
手で触れる以上の介助は必要ない。「75%以上」は自分で行う。
●3点(中等度介助)
手で触れる以上の介助が必要。「50%〜75%未満」は自分で行う。
●2点(最大介助)
「25%〜50%未満」は自分で行う。
●1点(全介助)
「25%未満」しか自分で行わない。


▶︎FIMを初めて評価する方はこちらの記事がオススメです。

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FIMとは|評価に必要な基礎知識と実践方法【総論】
FIMの特徴や評価項目などの基礎知識から採点方法までかんたんに解説します♬

FIMの移乗には3項目ある!

FIMの移乗の3項目

FIMの「移乗の項目」にはどのような種類があるのでしょうか?

 

【FIMの移乗の3項目】

①ベッド・椅子・車椅子の移乗

②トイレの移乗

③浴槽・シャワーチェアの移乗


次章より、この3つの移乗項目の点数の付け方について詳しく解説していきます。

 

FIMの「ベッド・椅子・車椅子の移乗」の採点ポイント

ベッド・椅子・車椅子の移乗のポイントと具体事例

ではまず、FIMの「移動」の項目である「ベッド・椅子・車椅子への移乗」を点数付けしていく上でのポイントをご紹介します。

採点ポイント

1. 評価する範囲を把握する。
例1)ベッド⇄椅子⇄ベッド
例2)車椅子⇄ベッド⇄車椅子
2. 往復で点数が異なる場合は、低い方で採点する。
3. 立って移乗する場合は、立ち上がり動作も評価対象とする。
4. ベッドからの起き上がり動作も比重は少ないが評価対象とする。

採点の豆知識

1. 「車椅子の位置を直す」「車椅子のフットレストを上げたりやブレーキをする」「スランディングボードを設置する」は、移乗の準備として評価するため、5点と点数付けする。

2. 移乗の補助具とは、手すり、装具、義肢、杖、スライディングボード、リフトなどを指す。

採点事例について

ベッド・椅子・車椅子への移乗の採点事例

FIMの移乗項目の中でも「ベッド・椅子・車椅子への移乗」の採点事例をご紹介します。




▶︎事例1

車椅子のアームレストを自分で外して、自立しているケース

採点:7点

解説:アームレストは補助具ではないため


▶︎事例2

車椅子からベッドに移る時は、手すりと装具を装着して安全に移乗ができるケース

採点:6点

解説:手すりと装具の補助具を使用して自立しているため


▶︎事例3

移乗が安全にできるように車椅子の位置を整える必要があるが、その他は自立しているケース
採点:5点

解説:車椅子の設置は介助ではなく、準備になるため



▶︎事例4

椅子に移乗する時に、手を添えてもらうケース
採点:4点

解説:25%未満の介助量のため

▶︎事例5

日中は手を添える程度で移乗できるが、夜間は立ち上がりと方向転換に中等度の介助が必要なケース

採点:2
点
解説:日中が4点だが、夜間が2点のため低い点数を採用するため

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FIMの「トイレへの移乗」の採点ポイント

FIMの「トイレへの移乗」の採点ポイント

次に、FIM項目の中でも「トイレへの移乗」の点数付けのポイントをご紹介します。

採点ポイント

1. トイレの便器に移ること、および便器から離れることを評価する。
注意1)トイレに近づく、離れる、ドアを開けるなどは移動の評価対象。
注意2)ズボンを下ろす、お尻を拭くなどはトイレ動作の評価対象。
2. 対象が便器になっただけで、移乗の採点方法はその他と同様。

採点の豆知識

トイレ移乗の補助具とは、手すり、ポータブルトイレなどを指す。

採点事例について

FIMのトイレへの移乗の具体事例

FIMの移乗項目の中でも「トイレへの移乗」の採点事例をご紹介します。

 

▶︎事例1

ベッド横のポータブルトイレで自立している
ケース
採点:6点

解説:ポータブルトイレは補助具になるため

▶︎事例2

便座から立ち上がる時にお尻を軽く支えてもらうが、その他は自分でできるケース

採点:4点

解説:25%未満の最小介助のため

▶︎事例3

日中はトイレで4点だが、夜間はポータブルトイレで2点のケース

採点:2点

解説:FIMでは低い方の点数をつけるため

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FIMの「浴槽・シャワーチェアへの移乗」の採点ポイント

FIMの浴槽・シャワーチェアへの移乗の採点ポイント

続いて、移乗のFIM項目の中でも「浴槽・シャワーチェアへの移乗」の点数付けのポイントをご紹介します。

採点ポイント

1. 浴槽またまシャワー室に入り、そこからでる動作を評価する。

2. 浴槽のそばにいる状態から「①浴槽をまたいで入る」「②和式であれば沈み込む」「③立ち上がり」「④浴槽から出る」までを評価する。

3. シャワー浴だけの人はシャワー椅子への移乗を評価する。




採点の豆知識


ベッド・椅子・車椅子への移乗やトイレ移乗に比べて、浴槽・シャワーへの移乗は乗り移りの仕方に色々なパターンがあるため「何%程度」介助が必要なのかをもとに採点すると良い。

採点事例について

それでは、「浴槽・シャワーチェアへの移乗」の採点事例をご紹介します。

 

▶︎事例1

補助具(手すり、バスボード)を使用していれば介助なしに浴槽移乗ができるケース
採点:6点
解説:手すり、バスボードは補助具になるため

▶︎事例2
補助具の設置(バスボード、バスグリップ)を行えば自分で浴槽移乗ができるケース

採点:5点

解説:設置は準備になるため

▶︎事例3
シャワーチェア(シャワー椅子)の位置を修正してもらえば移乗ができるケース

採点:5点

解説:椅子の位置の修正、設置は準備になるため

▶︎事例4
浴槽移乗の際に片脚をまたがせる介助を行えばあとば自分でできるケース

採点:4点

解説:「25%未満」の最小介助のため

▶︎事例5
浴槽移乗の際に両足をまたがせる介助を行えば、沈み込み、立ち上がりは自分でできる

採点:3点

解説:2/4の介助「50%」の中等度介助のため

▶︎事例6
普通浴槽での入浴が困難で、全介助の状態で機械浴、特殊浴槽、ストレッチャー浴などを使用して入浴を行なっているケース

採点:1点

解説:移乗動作が困難で移乗動作を行なっていない、もしくは全介助のため

 

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入浴介助の注意点とポイント|入浴用の福祉用具もご紹介

まとめ

FIMの「ベッド・椅子・車椅子の移乗」「トイレの移乗」「浴槽・シャワーチェアへの移乗」の3項目の採点方法はご理解いただけましたか?


移乗の採点では、移乗する環境がベッド・椅子・車椅子・トイレ・浴槽・シャワーチェアに変わっただけで、評価は「何%程度」介助が必要なのかをもとに採点することに変わりありません。

今回の記事を参考に基本的なFIMの採点方法を学んで、多くの症例様で評価していきましょう!

▼FIMの移乗の評価方法を学んだ後は、合わせて移動(歩行・車椅子・階段)の採点方法についても学んでみませんか?詳しくはこちらをご覧ください。
 

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FIMの移動(歩行・車椅子・階段)の採点に必要な基礎知識【各論】

「移動」の評価項目に着目してFIMの採点基準を詳しくご紹介します。

 

デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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