QOLとは 生活の質を表すQOLの意味とQOL評価法の基礎知識

QOLとは「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略称で、日本語では「生活の質」などと訳され「生きがい」や「満足度」という意味があります。特に医療や介護など患者・ご利用者の望む生活を支える上で重要な考え方で、QOL評価法(SF-36、WHO QOL-26など)も広まってきています。QOLとADL・IADLの関係性、QOLについて考える時に必要なICFの考え方なども用いて、QOLを向上させるためにはどうしたらいいのか医療・介護のスタッフの基礎知識として紹介します。

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QOLとは?

QOLとは

QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略称で、日本語では「生活の質」などと訳され、「生きがい」や「満足度」という意味があります。

QOLの評価は、人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念です。

QOLについて具体的に説明すると、心身の健康や良好な人間関係、満足いくやりがいのある仕事、充実した教育環境、楽しみである遊び・余暇、快適な自宅・地域の環境など様々な観点から計れます。また、大きな概念で捉えるとQOLは、国家制度など個人の人権・自由が保障されている度合いなどの観点も含まれます。

QOLは医療や介護で活用されている言葉

QOLは、もともと医療とともに発展してきた考え方ですが、最近では「介護」や「福祉」の現場にも浸透してきてよく活用されている言葉になっています。

医療現場だけでなく、介護や福祉の現場では、ご利用者様のADLIADLのケアを大切にしていますが、障害があってもその人らしい満足いく生活が営めるように「生活の質=QOL」が重要視されるようになってきています。

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QOLの概念が作られた経緯とは?

QOLの概念は、医療とともに発展してきました。医療現場では、1980年に制定された「ICIDH(国際障害分類)」が主流で、人を診るものであり病気や怪我などによって起こった障害を機能障害→能力障害→社会的不利の3つのレベルに分けて捉える、治すという考え方でした。

この場合、病気や怪我の治療だけにとらわれるため、延命治療や数回に及ぶ手術や治療のため患者様への負担が激しくなってしまい、「自ら理想とする生き方」「人間らしい生活」を鑑みることができていませんでした。

そこで重要とされたのがQOLの考え方です!

QOLでは、患者様が自身の尊厳を保ち、その人らしい満足いく生活の実現を目的とした治療・援助を目指しています。このことを「QOL(生活の質)の向上」と呼ばれ、より患者様のご希望に寄り添った医療が行われるようになったのです。

介護現場においても、怪我や病気によって障害があってもその人らしい満足いく生活が営めるように「生活の質=QOL」が重要視されるようになってきています。

QOLと合わせて知っておきたいICFの考え方

患者様のQOLを考える場合には、「生活機能」と「障害」の状況を把握する「ICF」を知っていく必要があります。ICFの考え方は、人の生活を幅広い視点から把握することができ、より良い医療・介護のサポートをする一助となります。
 

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QOLとADL・IADLには関係性・関連性があるのか?

患者様やご高齢者のQOLを考える上で重要なこととして挙げられるのが「ADL」です。ADLとQOLは密接な関係性があり、特に病気を抱えたご高齢者のADL能力は、生活の質(QOL)を高めるために重要と言われています。

ADLとQOLの関係性について、伊勢崎ら(1999)は以下のように報告しています。

生活満足感にはADLの食事動作が強く影響しており、各因子の影響を考慮したとき、食事動作ができるほど生活満足感が高かった。食事を自力で摂る事ができるという喜びの他に家族、親戚や親しい友人等の生活を共有する人達との関わりを保持していく「場」として、介助されずに楽しみながら食事を摂れるということが、ひとつの社会活動として生活満足感に影響していた

その他にもQOLとADLの関係性について焦点を当てた論文は数多くあります。このことからも患者様・ご高齢者のQOLを考える上で、まずADLの能力を把握することが重要といえます。
 

--参考論文--
伊勢崎 美和「高齢患者のQOLとADL(日常生活動作)との関係―主観的幸福感に焦点をあてて―

QOL評価法にはどのようなものがあるのか?

QOLの評価法として代表的なものに、SF-36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)があります。

QOL評価法のSF-36の特徴について

QOLの評価であるSF-36の特徴について、3つご紹介します。

1.包括的尺度である
健康関連QOLを測定する包括的尺度で、様々な疾患の健康関連QOLを測定することができ、疾病の異なる患者さん間のQOLの比較が可能です。

2.国民標準値との比較ができる
SF-36v2は国民標準値(2007年)が公開されていますので、それを基準にして対象群の健康状態を検討することができます。 SF-36v2日本語版マニュアルに性別・年代別の国民標準値データ(2007年)が掲載されているほか、スコアリングプログラムを使用するとより簡単に比較ができるようになります。

3.国際的に最も普及している健康関連QOL尺度である
SF-36は健康状態を測る調査票として、世界中で最も普及しているものです。これは、SF-36がシンプルかつ有用であり、計量心理学的に十分な特性を持ち、入手方法も容易で、十分な量のデータの蓄積があるため。

QOL評価のSF-36の項目や点数について

QOLを評価するSF-36は、以下の8つの健康概念を測定するために36問から構成されています。


1)身体機能 

2)日常役割機能(身体)  

3)体の痛み  

4)全体的健康感 

5)活力 

6)社会生活機能 

7)日常役割機能(精神) 

8)心の健康 


※8つの下位尺度は、単独でも使用することができますが、下位尺度得点を算出するためには、1つの下位尺度に含まれる項目を全て使用することが必要です。

▼詳しい点数算出方法など、包括的なQOLの評価尺度のSF-36を活用する場合は、使用手続きが必要となります。QOL評価を活用する場合は下記にお問い合わせください。

iHope International株式会社「SF-36®(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)」平成29年9月15日アクセス

QOL評価法の WHO QOL-26(WHO Quality of Life 26)

WHOのQOL評価指標のひとつに「QOL26」というスケールがあります。QOL26による人の幸福状態の検査では、評価対象を2週間前までに区切っていて、アンケートのような感じで気軽にQOLの状況を把握でき、経過観察もできます。
(QOLは、26項目の質問でできています。26問でQOLを評価するということでかなり抽象的な質問ですが、世界の国・文化・年代・性別などで共通した使用ができることが確認された数少ないQOL評価スケールです。)

 

QOLを向上させるためにはどうしたらいいのか?

では、実際にQOL(生活の質)をあげるにはどのようにしたら良いのでしょうか?

例えば、「心身が健康で入れることが何より幸せだ」と感じる方もいれば、「家庭円満」「やりがいのある仕事が続けられる」こと、楽しみである「遊び・余暇」ができることなどに満足感を感じる方もいるため、QOL(生活の質)の価値観は、一人一人によって異なります

そのため、QOLの向上を目指すためには、まずは「想いを聴取(情報収集)」を行ない、どのようなことを求めているのか深く知り、アセスメントする必要があります。その上で、その人が望む満足いく生活が営めるように検診的な看護・ケアを行っていくことが重要です。人により価値観が異なり、積極的にコミュニケーションをとって寂しさを補っていくことでQOLが上がる方もいれば、逆にストレスに感じて憂鬱な気持ちになりその結果QOLが下がってしまう方もいます。

対象者の興味や関心があること、望んでいることを聴取する方法に「興味関心チェックシート」があります。このシートは、対象者が望んでいる日常生活動作や家事動作、趣味・余暇活動、スポーツ、社会参加などを把握することができるチェックシートです。情報収集が苦手な方はこちらのシートの活用がお勧めです。

QOLについてのまとめ

医療や介護現場で働く私たちスタッフの役割は、ご利用者様が心身ともに健康で、満足いく生活が営めるように支援することです。介助の技術やケアの技術、コミュニケーション技術ももちろん大切なことですが、その根本はご利用者様のQOLの向上にあります。

そのため、今回ご紹介したようにQOLの考え方を理解した上でADLの把握、興味関心の聴取を行ない、ご利用者様が望む生活が送れるようにQOLの向上を目指した関わりができるようにしていきましょう!

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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