高齢者のための指体操 全11種|椅子に座って脳の活性化をしよう!

指先は体の中でも運動や感覚の神経が多く、指を動かすことで脳に刺激が加わります。そのため、指の体操を行うことで脳の活性化になると考えられています。そこで今回は、高齢者施設やデイサービスでも椅子に座って安全に脳トレができる指体操の仕方を全11種ご紹介します。高齢者向けの体操やレクリエーションの1つとして取り組んでみてはいかがでしょうか?

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指体操は、なぜ高齢者の脳の活性化に良いのか?


指体操をすると「認知症の予防になる」「脳が活性化する」などと一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?


ではなぜ、ご高齢者の脳の活性化に指体操が良いのでしょうか?
その所以(ゆえん)について解説します。


こちらの図は、カナダの脳外科医ペンフィールドが、人間の脳にある運動野と感覚野が体の部位のどれくらいの割合を締めるのかを大きさで表したものです。

この図を見ると、私たちの体は「首から顔面」「手首から指先」感覚や運動の脳の中枢領域が特に広く描かれていることがわかります。つまりは、体の中でも「指さき」は触覚が敏感であるといえますし、運動もより細かい精緻な運動ができるように神経が密に分布しているという事がわかります。

これらのことから指さきを動かす体操は、ご高齢者の脳の活性化や認知症の予防だけでなく、運動機能を高める効果が期待できると考えられます。
【図】Penfield and Boldrey, 1937より改変

高齢者に指体操がオススメな理由!

デイサービスや高齢者施設でレクリエーションや集団体操を行う場合、様々な病気や身体能力が異なるご利用者様が安全に、しかもわかり易く取り組めるものを提案するのは一苦労です。

そこでオススメなのが「指体操」です!

指の体操は、指先が動かせる方であればいつでもどこでも気軽に楽しめ、椅子に座って安全に体操ができるのがその魅力の1つです。

今回は、指体操の中でも認知症などがある方でも比較的簡単に取り組める複雑なルールを除いた体操からご紹介していきます。

指を曲げる・回すなど簡単な指体操からペアでの指体操までご紹介するので少しずつレベルを上げて楽しみながら取り組んでいきましょう!
 

【関連記事】

リハビリ体操 全22種|高齢者に最適な座ってできる運動方法とは

高齢者が安全に取り組める体操はもっと知りたい方はこちらをご覧ください。

まずは簡単な指体操から始めよう!

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ご高齢者が楽しみながら脳の活性化ができる指体操をご紹介していきます。まずは、簡単な指折り体操から始めていきましょう。指折り体操は、親指から順番に小指まで数を数えながら1本ずつ指を曲げる体操です。

指体操の手順
● 親指からスタートします
● 指を曲げる際に、数を数えます
● 小指まで行ったら続けて反対の手を行います
※他の指が曲がらないように注意しましょう。

順番に10まで数えるとすると3・4に位置する「中指」と「薬指」が曲げにくいのでゆっくりと意識して取り組んでいきましょう。

指回し体操をしよう!

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次に、指体操としてご紹介するのは、指回し体操です。手遊びの1つで、両手の親指から小指まで1つずつ指を回していきます。回している指が当たらないように意識して取り組むことで運動機能や脳の活性化を促していきましょう。

【指体操の手順】
● 両手の指先を合わせます
● 両手の指先が当たらないように指を回していきます
※他の指が離れないように注意しましょう。

特に、4番目の薬指が難しくなるので「指が当たらないように」と声かけして盛り上げていきましょう!

指離し体操をしよう!

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続いての指体操は、指先を離す体操です。こちらも指遊びの1つで親指〜小指まで1本ずつ順番に指を離していきます。指の体操は、脳の活性化や運動機能を高めるだけでなく、日常生活の中でも食事やボタン留め、小銭を扱うなど細かい動作が必要になります。

指体操の手順
● 両手の指を合わせます
● 指を一本ずつ離します
● 親指〜小指、小指〜親指と順番で取り組みましょう
※他の指が離れないように注意しましょう。

こちらも4番目の薬指を離す際に、他の指が離れてしまいがちです。

親指体操をしよう!

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こちらの指体操は、親指と他の4本の指を合わせる親指体操です。この運動は、対立運動と呼ばれ、人間に一番近いと言われるゴリラや猿などでもこの動きはスムーズにできません。人間は、この対立運動によって「つまみ」や「つかみ」などの細かな動きができるのです。

指体操の手順
● 親指と人差し指、親指と中指、親指と薬指の順に指を合わせていきます
● 指の腹をしっかりと付けるように意識しましょう

親指体操では、「小指」「中指」と合わせる指をスタッフが指定するなどルールを決めることで難易度を高めたり、皆さんで楽しみながら取り組むことができますよ。

難易度をアップした指体操にチャレンジしよう!

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これまでご紹介した指体操に比べて難易度を高くした体操をご紹介します。

ご高齢者が指を動かすことに慣れてきたら少し難易度を高めた指の運動も取り入れてみましょう。脳の活性化を促すためには慣れは禁物です。脳の活性化を促すためには、最初はできない少し難しい程度の難易度が最適です。ギターの弦を押さえるように指を動かしていきましょう。

指体操の手順
● 人差し指と薬指を腕につけます
● 中指と小指を腕につけます
● 交互に繰り返します

ご高齢者の場合は大きな病気がなくても指の関節が硬くなったり(拘縮)動かしにくくなります。脳の活性化だけでなく、指をスムーズに動かすことを目的に日頃から指さきの体操を提案していきましょう!

輪ゴムを活用した2本の指体操にチャレンジしよう!

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ここからは「輪ゴム」を活用した2本指の体操をご紹介します。指先の巧緻動作を行うことで脳の活性化を促すというよりもゴムの抵抗を利用して「背側骨間筋」と呼ばれる手のひらの筋肉を鍛える体操となります。

指体操の手順

● 人差し指と中指に輪ゴムをかけます
● 指同士が離れるように広げます


この体操は、2本の指同士のトレーニングです。全指を対応させる場合はセラプラストなどを使った運動をお勧めします。

輪ゴムを活用した3本の指体操にチャレンジしよう!

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こちらは輪ゴムを活用した親指と中指・薬指の3本の指の体操です。主に、親指の母指外転筋や指の伸筋群の筋力アップに効果が期待できます。輪ゴムは日用品としてどの家庭にも置いてあるものです。デイサービスなどの介護現場の指体操にちょっとした道具を活用してみるもの体操を楽しむことができますよ。

指体操の手順

● 親指・中指・薬指に輪ゴムをかけます(キツネのポーズをする)
● 指同士が離れるように指を広げます

ペアで楽しむ指体操(ジャンケン)をしよう!

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ここからはパートナーと共に2人組で楽しめる指体操のご紹介です。通常のじゃんけんをするのではなく、パートナーが出す手に対して後出しジャンケンで「負ける」ように条件付けを行うことで脳の活性化(前頭葉機能)を促すことができます。

指体操の手順】

● 後出しジャンケンをします
● パートナーはグー・チョキ・パーを出します
● パートナーの出した手に負けるように手を出します

じゃんけんの条件を「あいこにする」「順番に勝ち→あいこ→負ける」など複雑にすることで、難易度が高まり脳の活性化(前頭葉機能)を促すことができます。少し間違える程度の条件付けをして指体操(じゃんけん)を行なっていきましょう!

ペアで楽しむ上級者向け指体操(ジャンケン)をしよう!

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こちらの指体操も、二人組みの指体操(じゃんけん)です。通常のじゃんけんではなく、両手で後出しジャンケンをすることで、さらに指体操の難易度を高めることができます。条件を「左手が勝ち、右手は負け」「両手をあいこにする」「順番に勝ち→あいこ→負ける」など複雑にすることで脳も活性化しやすくなります。

指体操の手順


● 後出しジャンケンをします
● パートナーは両手でグー・チョキ・パーを出します
● パートナーの出した手に負けるようにそれぞれ手を出します

若者でも間違えやすい指の体操です。パートナーと間違えを楽しみながら指体操に励んでみて下さい!

指体操の後に整理体操をしよう!

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指先は、日頃行うことのない運動のため、指体操を行ったあとは手や手首が疲れてしまう方も多くいらっしゃいます。そのため、指体操の後は必ずクールダウンとして手首の柔軟体操も行なうようにしましょう。

こちらの運動は、指体操の後のクールダウンとして取り組んでいただいたい手首のストレッチです。手首をメインにしたストレッチですが、その中でも親指は、指の運動の中でもつまみ・摘むなどの対立運動を行う部位です。日常生活の中でも活躍の頻度が多いため疲労が溜まりやすい部分でもあります。合わせてストレッチしていきましょう。

【運動の注意点】
① 手首に痛みがある方は無理をしないようにしましょう。

【回数】
20秒×5回を目安に行いましょう。

指体操まとめ

高齢者施設や通所介護などでも椅子に座って安全に脳トレができる「指体操」の方法をご紹介しました。

片麻痺や骨折、糖尿病、パーキンソン病など利用者様の疾患や身体状況が異なる介護現場では、みなさんが参加できる体操を提案することは一苦労です…

そのような場合に指体操は、片手しか動かせない方でも車椅子の方でも比較的簡単に取り組むことができる集団体操にも適した運動です。今回の体操方法を参考に、皆さんの事業所でも指体操に取り組んでいただければ幸いです!



ちなみに…
指体操の方法には今回ご紹介した「輪ゴム」や「ペア」で行う方法以外にも「セラプラスト」と言われる粘土状の道具を使用した体操もあります。

セラプラストは、商品名「セラピーパテ」として1,500円前後で販売され、6段階に硬さを色分けされているので自分にあった硬さで指の体操をすることができます。粘土で形を作ったり、調理訓練などの練習としても楽しみながら活用できる便利な道具ですので、指体操の道具として準備しておくと便利ですよ。

【関連記事】

セラプラストを使用した手指のリハビリプログラム |全14種

指体操として活用できるセラプラストの使い方については以下の記事でご紹介しています。興味がある方はこちらの記事をご覧ください。

【最後に筆者より】

指体操はいかがでしたか?
リハプランでは、今回ご紹介した指体操の方法を資料として印刷したり、利用者様ごとの運動メニューをまとめることができます。「どの運動をしたら良いのか?」「この運動の効果は?」などお悩みがありましたらリハビリの専門家に直接相談することもできます。ぜひ一度ご相談ください。

 

デイサービス・機能訓練指導員が活用できる「リハビリ体操・運動」関連の記事を一挙にまとめました。状況に合わせてうまく活用していただけたら嬉しく思います。記事が増えていけば随時更新していきます。

→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新


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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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