高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

転倒予防体操としてどのような体操・運動を提案していますか?ご高齢の転倒の原因は、筋力の低下やバランス機能の低下などさまざま報告されており、一概に筋力やバランスだけを鍛えても転倒の予防はできません。そこで今回では、ご高齢者の転倒予防として、ストレッチ体操、耐久性体操、筋力体操、ステップ体操、バランス体操のいくつかの要素を含んだ体操・運動方法をリハビリの専門家がご紹介します。一人一人に合った体操を選択して転倒を予防していきましょう。

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効果的な転倒予防体操とは

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

ご高齢者を対象とした転倒予防体操は、地域の健康教室やデイサービスでの体操として取り組まれている方も多いのではないでしょうか?


ご高齢者の転倒予防に効果的な体操は、集団や個別での「運動」とされています。その中でも効果的な体操方法は「複合要素」を含む運動プログラムです!


転倒予防のための複合要素の運動プログラムには、筋トレ、バランス、ストレッチ、持久力、ステップ、歩行、二重課題などがあります。ご高齢者の場合は、特定の疾患などの影響により運動の効果に違いはありますが、この「複数の運動プログラム」を実施していくことは転倒予防に非常に重要です。


例えば、デイサービスで転倒予防体操に取り組む場合は、日によって「ストレッチ」や「筋トレ」「バランス」など体操の種目を変更することで、より転倒予防に効果的な体操を行うことができます!



ちなみに「どのくらいのご高齢者が転倒しているのか」「どこで転倒しやすいのか」知っていますか?

転倒予防体操を取り組む上で、ご高齢者の転倒の現状から原因についてを知ることは非常に重要です。


▼是非一度こちらの記事をご覧ください。

【関連記事】高齢者の転倒予防の基礎知識|原因から体操方法まで徹底解説!
ご高齢者の転倒の現状から原因、転倒予防体操まで徹底解説します。

転倒予防体操の種類には

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

転倒予防体操には、筋トレ、バランス、ストレッチ、持久力、ステップ、歩行、二重課題などがあります。本稿では、以下の5種目の転倒予防体操をご紹介していきます。


【転倒予防体操の種類】
① ストレッチ体操
② 持久力体操
③ 筋トレ体操
④ ステップ体操
⑤ バランス体操



転倒予防体操を行う場合は、まずは椅子に座ってできる「ストレッチ体操」から提案していきましょう。ご高齢者の中で歩行が安定している方や運動習慣がある方には立ってできる「持久力体操」→「筋トレ体操」→「ステップ体操」→「バランス体操」と段階的に取り組んで行くことをオススメします。


ご高齢者の転倒の原因は一人一人によって異なります。そのため、転倒予防に取り組む最初のステップとして、ご利用者の転倒の危険性を判断するためのバランス評価を行い、転倒の要因を発見することをオススメします。

▼ご高齢者の転倒予防に必要なバランス評価はこちらの記事をご覧ください。

【関連記事】転倒予防におけるバランス評価の種類とその方法とは
ご高齢者の転倒の危険性を判断する5つのバランス評価ご紹介します。

転倒予防に最適な「足」のストレッチ体操をしよう!

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

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まず始めに、転倒予防体操として座ってできる足首のストレッチをご紹介します。足首や足の指は、歩行時の前方への推進力や安定性に関与します。特に、足の指の変形のあるご高齢者に対して足の指の柔軟性を高めることで床をしっかりと捉える足を作ることができます。転倒予防体操の中でも準備運動として取り組んでおきましょう!

【目標回数】
10回×3セットを目安に行いましょう。

転倒予防に最適な「股関節」のストレッチ体操をしよう!

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

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次に、椅子に座ってできる鼠径部(腸腰筋)のストレッチをご紹介します。腸腰筋は上半身と下半身を繋ぐ筋肉で、足の振り出しやつまずきなどと関与している筋肉の1つです。ご高齢者においては、椅子に座る時間が長くなるためこの腸腰筋の柔軟性が低下しやすくなります。高齢者の転倒予防体操として必ず取り組んでおきたいストレッチです。

【目標時間】
30秒×3セットを目安に行いましょう。

転倒予防に「首」のストレッチ体操をしよう!

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

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こちらの首のストレッチは、実は転倒予防にも関与する部位です。人が立った姿勢でバランスを保つ場合、眼球の運動や頭の位置が重要になります。ご高齢者になると、肩こりや首こりの影響で首がスムーズに動かしにくくなります。そのため、転倒予防体操として首周囲のストレッチも取り組んでおくようにしましょう!

【目標回数】
左右回し10回×2セットを目安に取り組みましょう。

転倒予防に必要な持久力体操をしよう!

高齢者の転倒予防体操|効果的な体操まとめ【全18種】

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こちらの体操は、持久力を鍛える足踏み体操です。体力が落ちるとつまずきなど転倒をしてしまう可能性が高くなります。そのため、持久力も転倒予防体操の中に盛り込んでおきましょう!

歩数と介護度の関係性の論文を調べてみると、1日に「7,000〜8,000歩以上」歩くことが望ましいとされています。また、厚生労働省健康日本21によると、「一万歩」を目標歩数として推奨されています。1日平均歩数の基準値は男性8,202歩、女性7,282歩(平成9年度国民栄養調査)ですので目安として+1,000歩、つまり1日にプラス10分(約1,000歩)を追加するように運動していきましょう!

【目標回数】
できれば約10分間、または1,000歩を目安に行いましょう。

谷川 貴則 日本理学療法学術大会 抄録集 Vol.40 「健忘型の軽度認知機能障害を有する高齢者の記憶機能と身体活動量の関連」
平成29年7月6日アクセス

転倒予防に効果的な「足の指」の筋トレ体操をしよう!

 
足の指の体操

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続いての転倒予防体操は、足の指の筋力を鍛えるタオルギャザーと呼ばれる体操です。足の指の体操は、指先の機能を高めることができるので転倒予防には効果的です。また、立った姿勢で足の指の体操を行うことで、さらに姿勢を安定させる効果が高まります。特に前後方向へバランスを崩しやす方にはオススメです。
ただし、バランスが不安定な方は椅子に座って行うようにしてください。

【目標回数】
左右ともに10回×2セットを目安に行いましょう。

転倒予防に効果的な「ふくらはぎ」の筋トレ体操をしよう!

つま先上げ 運動
カーフレイズ かかと上げ

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こちらの体操は、ふくらはぎとスネを鍛える転倒予防体操です。スネの位置に付着する前脛骨筋は、歩行中のつまずきを予防する効果が期待できます。また、ふくらはぎに付着する下腿三頭筋は、「片足立ち」や「歩行速度」などの運動機能の向上に効果が期待できます。ご高齢者の転倒予防体操として、またロコモ予防として取り組んでみてはいかがでしょうか。

65歳以上の筋トレでは2〜3回/週を3ヶ月以上継続すると良いとされています。ただし、要介護高齢者の筋力アップは、緩やかで6ヶ月以降に徐々に増加する傾向とされています。長い目を見て長期的に運動を続けるようにしていきましょう!

【目標回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。


▶︎歩行速度を測定する方法には5m歩行テストが有効です。詳しくはこちらをご覧ください。

【関連記事】5m歩行テストの評価方法とカットオフ値とは
ご高齢者の転倒リスクに関与する歩行速度の測定方法を解説します♬

転倒予防に効果的な「太もも」の筋トレ体操をしよう!

スクワット

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こちらの転倒予防体操は、膝の角度を45〜60°程度曲げるハーフスクワットと呼ばれる体操です。ハーフスクワットは、筋トレの「BIG3」といわれ、全身の筋肉に効果が期待できる複合運動です。そのため、太ももなどの下半身だけでなく体幹筋にも効果が期待でき、転倒予防としても活用いただけます。
ただし、膝や股関節の痛みが伴う方は運動を控えるようにしましょう。

【目標回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。

転倒予防に効果的な「お尻」の筋トレ体操をしよう!

中殿筋 運動

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次の転倒予防体操は、お尻の筋トレです。片足で立つためバランス能力はもちろんのこと、お尻に位置する中臀筋や大腿筋膜張筋を鍛えることができます。お尻の筋肉(中臀筋)は転倒予防に重要な部位として注目されています。是非挑戦してみてください。
ただし、バランスに不安がある方は、安定した椅子や壁を支持するようにしましょう。

【目標回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。

転倒予防にオススメの「前方」ステップ体操をしよう!

前方ランジ

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続いて、ここからの転倒予防体操は、ステップを行う体操です。

まずこちらは、前方ランジと呼ばれるステップ体操です。主に、太ももやお尻の筋肉を鍛えることができます。転倒予防では、最大筋力のアップとともに筋肉の発生速度を高める運動が有効であると示唆されています。つまり、ステップ運動のよう瞬発的な運動は、ご高齢者の前方方向への転倒を予防する体操として重要になるのです!

【目標回数】
10回×2〜3セットを目安に行いましょう。

大屋友紀子, et al. "地域在住高齢者の易転倒性と膝伸展筋力に関する研究." 日本老年医学会雑誌 45.3 (2008): 308-314.
平成29年7月6日アクセス

転倒予防にオススメの「側方」ステップ体操をしよう!

サイドランジ

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こちらの転倒予防体操は、サイドランジと呼ばれるステップ体操です。サイドランジはバランス能力だけでなく、転倒予防に重要なお尻の筋肉(中殿筋)を効果的に鍛えることができます。左右へバランスを保つためにオススメの体操方法です。

【目標回数】
10回×2〜3セットを目安に行いましょう。

転倒予防にオススメの「クロス」ステップ体操をしよう!

転倒予防体操

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こちらの体操は、クロスステップと呼ばれる転倒予防体操です。クロスステップの反復練習は、姿勢を安定性させる効果が期待できるので転倒予防としてもオススメです。足を交差させる動きは、日常生活の中でも振り向きなどの方向転換として重要です。応用編として取り組んでみてはいかがでしょうか。

【目標回数】
10歩×3セットを目安に行いましょう。

萬井太規、 et al. "クロスステップ反復練習による片脚立位動作時の姿勢安定性への効果." 理学療法科学 31.4 (2016): 601-607.

平成29年7月6日アクセス

転倒予防に「つま先上げ」のバランス体操をしよう!

転倒予防 つま先上げ

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続いてここからは、転倒予防体操としてもよく知られているバランス体操のご紹介です。

こちらの体操は、つま先上げを行うことでバランス能力を高めてくれる効果が期待できます。人間は、体がバランスを崩しそうになった場合に、主に股関節と足関節を中心に姿勢を保とうとする機能が働きます。これをリハビリテーションでは「股関節戦略」と「足関節戦略」と呼びます。足関節・股関節を中心にバランス能力を鍛えていきましょう!
ただし、後方へバランスを崩しやすくなるので転倒に十分に注意しましょう。

【目標回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。

転倒予防に「かかと上げ」のバランス体操をしよう!

転倒予防 かかと上げ

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こちらの転倒予防体操は、ヒールレイズと呼ばれるかかと上げの体操です。かかと上げを行うことで、ふくらはぎの筋力アップだけでなく、バランス能力を高めてくれる効果が期待できるます。
ただし、特に前方へバランスを崩しやすくなるので転倒に注意しましょう。

【目標回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。

転倒予防に「リーチ」のバランス体操をしよう!

バランス練習 リーチ運動
バランス練習 リーチ運動

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こちらの体操は、前方または側方へ手を伸ばすバランス体操です。手は床と水平に保つように意識して、できる限り遠くまで手を伸ばします。リハビリテーションでは内乱運動と呼ばれ、バランス能力を高める効果が期待できるので転倒予防体操としても活用できます。
ただし、バランスに不安がある方は、壁や手すりの近くで運動を行うようにしましょう。

【目標回数】
10回×2〜3セットを目安に行いましょう。

転倒予防に「片足立ち」のバランス体操をしよう!

片足立ち練習

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こちらの体操は、バランス能力を鍛える片脚立ちです。片足立ちは、60歳以上で70秒、80歳以上で10秒が平均値とされています。特に、開眼で片足立ちが20秒以下の方、閉眼で片足立ちが5秒以下の方は転倒の危険性が高くなると言われています。これらを目標に転倒予防体操として取り組んでいきましょう!

【目標時間】
20秒〜60秒を目指しましょう。


▼片脚立位について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【関連記事】片脚立位のカットオフ値とは|評価初心者でも分かる測定方法
測定方法から評価の指標となるカットオフ値まで紹介します♬

転倒予防に「綱渡り」のバランス体操をしよう!

バランス体操 タンデム歩行

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こちらの体操は、タンデム歩行と呼ばれるバランス体操です。タンデム歩行は、つま先とかかとを付けて、綱を渡るように10歩ほど歩く転倒予防体操です。また、以下の歩数でバランスを崩す方はバランス能力が低下していると判断されます。

●7~9歩:軽度のバランス障害
●4~7歩:中等度のバランス障害
●3歩以下:重度のバランス障害

タンデム歩行は、一般の方でもバランスを崩しやすいトレーニングです。転倒に十分注意しながら取り組みましょう。

【目標回数】
10歩×2〜3セットを目安に行いましょう。

 

まとめ

転倒予防に対する体操・運動方法についてリハビリの専門家が解説をしましたが、いかがでしたでしょうか。

ここで紹介した方法については、一部の方法となりますが転倒予防には非常に重要な運動方法になります。介護施設事業者のみなさんなどは参考になると思いますので、是非活用していただけたらと思います。

 

デイサービス・機能訓練指導員が活用できる「リハビリ体操・運動」関連の記事を一挙にまとめました。状況に合わせてうまく活用していただけたら嬉しく思います。記事が増えていけば随時更新していきます。

→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新​


 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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