デイサービスの集客アップに役立つ営業方法・営業戦略

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経営

更新日:2022/12/07

デイサービスの集客や営業にお悩みはありませんか? 特に小規模デイサービスなど定員数が少ない場合は、集客アップし稼働率を高めるために、差別化や集客方法といった営業戦略が重要です。今回は、デイサービスの利用者を増やすための営業方法と営業戦略についてまとめてご紹介します。自分たちの魅力を高め、選ばれるデイサービスを目指しましょう。

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デイサービスの集客アップに重要な営業とは

デイサービス 営業

デイサービスにおける営業活動は、デイサービスの集客アップかつ稼働率アップをするために極めて重要で、会社(介護事業所)の安定的な運営のためにも欠かせない活動です。稼働率アップや集客アップのためにはデイサービスの「強み」を可視化し、ケアマネに強みをどのように伝えるかを考えるだけでも効果は大きく変わります。

良いサービスをしている介護事業所、良い人材がいる事業所は、それを伝えるということをあまり考えたことがない介護事業所も多いです。そこで損をしていることは実はすごくあって、良いデイーサービスこそ営業方法を学び、利用者を増やすことで、さらに稼働率アップにつながります。

稼働率アップは地域に愛されるデイサービスであり、必要とされるデイサービスであるということの証明です。ぜひこの考え方を念頭に読み進めていただきたいと願っています。

これからのデイサービスに求められる役割

介護市場は、平成30年の医療介護報酬改定により、地域・在宅分野で運営をしているデイサービスのニーズは益々高くなることが予測されます。行政は「自立支援」を基本方針と定め、2020年11月現在の社会保障審議会では、「科学的介護の実現を目指し、CHASEなどのアウトカム評価による質の高い介護に対するインセンティブを拡充する」ことが議論されており、アウトカム評価を用いた介護サービスの質の向上の波が急激に押し寄せています。

これによりデイサービスは、リハビリを提供しただけで報酬がもらえる時代は終わり、リハビリの効果に対する報酬がもらえる時代に突入します。利用者を元気にするなど、成果にコミットできる事業所の方が、ケアマネジャーからの紹介も多くなり、安定的な運営ができるようになります。

だからこそ、効果的なリハビリを実現する仕組みを構築し、効果を出せるデイサービスとしての実績をつくることが、これから重要になってきます。

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デイサービスの経営と営業の関係

全国に約43,000事業所(厚生労働省2016)あり、53,000店舗(2016一般社団法人日本フランチャーズチェーン協会)あるコンビニ数に迫る勢いで増え続け、レッドオーシャン化しているといえます。そのような環境下で、「素晴らしいサービスを続ければ、いつかお客さんが増える」と思っている経営者の方がいらっしゃれば、ここで立ち止まって考えていただきたいと思います。

「素晴らしいサービス展開をする」ことは、他の事業所も同様に行っていること。差別化にはつながりません(劣悪な経営を行っていける事業所が生き残れるような甘い世界ではないでしょう)。


「営業をせずに集客できる仕組み」が完成するまでのキャッシュフローが維持できれば良いのですが、なかなかうまくいかないのが現状です。そこで考えなければならないのが「デイサービスの営業」なのです。
 

参照:平成26年介護サービス施設・事業所調査の概況(平成29年4月17日アクセス)

デイサービスの営業先・営業方法について

デイサービス 営業

最短の方法は、事業所の強みを整理し、相手に明確に伝えること。その相手先は、おもに以下の5つです。

■デイサービスの営業先一覧

  1. ケアマネジャー
  2. 地域包括支援センター
  3. 医療機関(病院)
  4. 介護老人保健施設
  5. 地域住民 

まずは「営業先のアタックリスト」を作成しましょう。

これによって「営業を誰にするのか?」を明確にし効率よく営業を行うことができます。エクセルで構いませんので、横軸に「事業所名=営業先」「担当者」「営業方法」「営業段階」などを記載します。縦軸に実行した営業先を整理して記載していきましょう。

ケアマネジャーへの営業について

特に立ち上げ段階や回転率が8割未満の事業所にとって、ケアマネの信頼を得ることは重要です。理由は明確であなたの事業所のサービスを必要としている「今すぐ客」をご紹介していただける可能性があるためです。また、ケアマネジャーは、ケアプランや自宅訪問といった本来の業務をしていることや、他の事業所からも営業を受けている可能性が高いことを念頭に置いておく必要があるでしょう。

地域包括支援センターへの営業について

デイサービスから地域包括支援センターへの営業は、主に要支援の方をご紹介してくれる可能性があります。ただし、貴事業所が指定事業所として申請されているかや経営方針として総合事業への参入をするかなどによりターゲットにできるかを判断する必要があります。

医療機関(病院)への営業について

デイサービスから医療機関・病院への営業は、主にメディカルソーシャルワーカー(MSW)やリハビリスタッフなどに営業を行うことになります。このパターンの営業は、「今すぐ客」と言うよりも「お悩み客」として捉え、何かあればフォローできます! という程度に伝えていくことも大切です。

居宅介護支援事業所や地域包括支援センターと比較すると、難易度は高くなりますが、介護付き有料老人ホームでは当たり前に病院への営業を行っていますので、営業を行えば着実に効果は期待できます。

最も営業対効果が高いのは、回復期リハビリテーション病院の地域連携室に属するMSWです。ただし、医療依存度の高い患者様を抱えることが多いのが病院ですので、そのニーズに対応できるデイであれば、是非トライしてみるのも良いでしょう。基本的にはアポイントをとってから、営業に行くことが望ましいですが、MSWは多くの患者様とも接し、営業も数多く受けていますので、その点を留意し営業を行う必要があります。

介護法人保健施設への営業について

デイサービスからの老健施設への営業は、「まだまだ客」の営業となります。本来の老健施設の目的は一時的に入居し、環境が整えば自宅へ帰るのですが、現状そうなっていない、そうできない施設も多く、営業先としては優先順位をやや下げて行う必要があります。

地域住民への営業について

デイサービスからの地域住民への営業は、総合事業としての区市町村の取り組みや老人クラブ発信の一次予防など地域で様々な取り組みが行われており、「潜在顧客」を獲得する上で、事業所として取り組んでいくことは非常に重要となります。

デイサービスの営業戦略について

デイサービス 営業

デイサービスの営業戦略を考えるためには、自社デイサービスの差別化やブランディングについてまとめておくことをオススメします。

ここでは、営業戦略を作成するためのデイサービスの差別化やブランディングの方法についてご紹介します。

デイサービスの差別化について

差別化の方法としてSWOT分析

デイサービスの差別化には「選択と集中」が必要です。介護保険サービス全体からみると、デイサービスは明らかにレッドオーシャン化しており、差別化しなければ、生き残りは困難でしょう。差別化をするためには貴事業所の地域にある、競合事業所のサービスを把握することが大切です。経営学の巨匠マイケルポーター先生によると、経営規模が小さくても、範囲を選択することにより経営資源を集中すれば、競争力を発揮できるとしています。

■デイサービスの規模や特色による差別化

デイサービスには営業的にもわかりやすい特化型施設があります。例えば、「認知症特化型デイサービス」や「リハビリ特化型デイサービス」「入浴特化型デイサービス」「アクティビティ特化型デイサービス(カジノなど)」などを選択する必要があるでしょう。

またデイサービスは特に特化したサービスはなくても、施設の定員や規模も特色の一つとしてアピールポイントになります。例えば地域密着型など小規模デイサービスならば「アットホーム」や「職員を覚えやすい」などご利用者にも利点があり、うまくケアマネジャーに認識してもらえればアットホームなところを希望するご利用者などをご紹介いただきやすくなります。

■SWOT分析による差別化

他社のデイサービスと差別化するための方法として「SWOT分析」を解説します。
他社との差別化を考える上では、貴社の地域でのポシショニングを検討する必要があります。いわゆる自社の強みや弱みなどの分析を行う必要があります。

SWOTとは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の頭文字でスウォット分析と呼ばれます。ここでは「強み」と「弱み」は貴社の内部分析であり、「機会」と「脅威」は外部環境を示すことになります。具体的な事例を示します。

内部要因|強み・他社にない特徴的なサービスがある・スタッフの能力ややる気が他施設にはないほど強烈である・特徴的なシステムを導入している※「アットホームな雰囲気があります」などはコモデティ化している(どこの施設でも持っている言える)ので、強みにはなりません。内部要因|弱み・スタッフの教育レベルが低い・施設が狭い・資金的な余裕がない・営業力が低いここでは整理することが目的なので、適切な判断を行うために弱みをしっかりと認識しておくことが重要です。
外部要因|機会(追い風)・リハビリ特化デイは地域の需要が高い・リハビリを特化したデイが同地域に少ない・大手の介護事業所が撤退した(変化)現在や将来の好ましいトレンドなどを分析していきましょう。
 
外部要因|脅威(向かい風)・基本報酬の低下などの報酬改定・同地域に大手企業がある・リハビリの養成校が少ない外部要因をリサーチし適切に評価していくことが重要となります。

これらの分析を行った上で、競合他社にも負けない唯一無二のデイサービスを創造することが、魅力あるデイサービスを運営していくために重要となります。

他方、これらの分析で「弱み」を抽出し、克服していくことが営業力の強化につながるとは限らないので注意していただきたいです。弱みを認識しつつ、それをまずは脇に置き、強みを徹底的に強化していく。この過程によりデイサービスの差別化につながりますので、チームで検討していきましょう。

参照:大工舎宏. “SWOT 分析による企業実態把握の実践.” 銀行営業推進 7.7 (2011): 86-92.(平成29年4月17日アクセス)

デイサービスのブランディングについて

デイサービス 営業

人気のあるデイサービスにするためには「ブランディング」が極めて重要です。ブランディングとは、これまで記述した事業所の分析を参考に貴社の「特色あるデイサービス」をアウトプットすることです。

特色あるとは言い換えると「独自性」であり、同じ地域で運営している事業所との「違い」を示すことです。それこそが人気のあるデイサービスになります。例えば、「入浴サービスといえば、××デイサービス」「リハビリといえば、××介護事業所」などと言われるような、ケアマネジャーの意識の中ですぐに想起できるように伝えていく必要があります。

■個別機能訓練算定によるブランディング

デイサービス 営業

これまでのデイサービスのイメージは「ゆっくりした」「アットホームな」「暖かい」というイメージ戦略で経営されてきたデイも多いでしょう。しかし、超高齢社会により介護保険費は逼迫し、基本報酬を下げざるをえない状況になってきています。これまでの支える介護の重要性を認識しつつ「自立支援」のムーブメントが起こり始めています。

かかる状況下で、自立支援をコンプライアンス上体現したものが「個別機能訓練加算」だと言えます。個別機能訓練加算の本質は「ご高齢者を元気にする」加算であり、高齢者の「よりよく生きる」を支援する加算です。

ケアマネジャーへの営業戦略・営業方法について

ではここからはデイサービスの集客アップの中でも重要な営業先であるケアマネジャーへの営業戦略・営業方法についてご紹介していきます。

ケアマネジャーへの営業戦略について

デイサービス 営業 ケアマネ

ケアマネジャーへの営業戦略を考える場合は、「新規顧客獲得の営業」と「既存顧客獲得の営業」の2つのパターンに分けて考えていくことが重要です。

※前提としてケアマネジャーは、地域の高齢者さんのために「忙しく業務をしている」ことを念頭に置き、良好な関係性を築くことが重要です。

■新規顧客獲得の営業

事業所を立ち上げた段階では、利用者様を獲得するための営業活動が非常に重要です。

営業活動をする際、自社の会社パンフレットを作成し、居宅に出向いてパンフレットをお渡しする。王道のパターンではありますが、もちろんこれだけでは不十分です。

初対面の段階では、警戒心が強く、その状態で長々と話をすることはお互いにとって苦痛でしかありません。そのため、自社の強みやご利用者様のターゲット、サービス内容を1分以内、30秒以内に説明できるように練習が必要です。

これまで営業をしたことがない生活相談員や介護士、リハビリ専門職の方々がほとんどだと思います。緊張もされると思います。だからこそ、端的に明確に伝える練習が重要です!

■既存顧客獲得の営業

デイサービスの定員をしっかりと確保し、安定的な運営を行っていくためにも営業活動は重要です。しかし、新規の営業と異なり工夫が必要です。

例えば「利用者様のご紹介お願いします!」「何曜日と何曜日に2名ずつ空きがあります」このような営業は、よほどの強みを持っていているデイでない限りほとんど効果がないでしょう。

そこで「自社の強み」と関連のある「ニュース記事→新聞みたいなもの」の作成をお勧めします。日々どのような活動をしていて、どのような工夫をしているのか、利用者様への効果的な活動や体験、そしてご利用者様からのインタビューなどを記事にすると良いでしょう。そのニュース記事と空き状況などをお伝えすることで、ケアマネジャーは「あの人だったら、この事業所いいかも!」と判断するようになります。

ケアマネジャーへの営業方法について

デイサービス 営業 ケアマネ

ケアマネジャーへの営業方法について検討していきます。

デイサービスの営業の仕方としてケアマネジャーへの営業は非常に重要です。地域に数ある事業所から、大切な利用者様を「あなたの事業所に紹介する理由」を明確にしなければなりません。この考え方を前提に以下の方法で営業してみてはいかがでしょうか。

■フィールド営業

フィールド営業のポイントは、事前に電話やメール、FAXをしておくこと。ケアマネジャーは「忙しく業務をしている」ことを念頭に置き、相手の立場を考えた営業を行いましょう。運が良ければ、知り合いに連絡するか、友人を介して紹介してもらうこともあるでしょう。介護業界は「いい噂」も「悪い噂」も伝播しやすいことを念頭に置き、誠実に営業を行っていきましょう。

■内覧会

施設で行っている活動や家族会など対外的な催し事はおすすめです。自信を持って自分たちが行っている日々の活動や売りとなる部分をインバウンドで獲得することができます。

■FAX営業

初期の段階の方法としての選択肢の一つです。ただし、FAX営業は3/1000と言われるほど、効果が薄く、実際には営業の選択の一つ程度と理解しておく必要があります。

■ブログやSNSでの広報

情報発信する上で、SNSはこれからの時代には必要不可欠なツールです。自分たちが自信を持って行っている活動については、SNSやブログで配信することをおすすめします。これはケアマネジャーへの営業だけでなく、利用者様のご家族への安心感の醸成にもつながります。

■モニタリング報告書を営業ツールにする

デイサービス営業で意外と活用されていないのが毎月のモニタリング報告書です。モニタリングは、毎月利用者様をモニタリングし、ケアマネジャー様に報告を行います。主な内容はケアマネジャー様が作成したケアプランの目標に対して、利用者様がどうだったかを丁寧に文章で説明していきます。その際に、弊社のスタッフがどのような工夫を行ったのか、貴社のデイサービスでしか味わうことのできない感動をモニタリングを通じて伝えていきましょう。その事例を通じてケアマネジャー様をあなたの事業所を適切に評価し、また新たな利用者様を紹介していただけるのです。

リハプラン」で作成した計画書や書類は、ケアマネさんへの営業ツールとしても説得力抜群! もちろん質の高いリハビリを利用者に届ける機能も充実しているのでおすすめです!

■カジュアルな勉強会

大規模なカンファレンスではなく、「小さな勉強会」を開催して、狙ったケアマネジャーとつながりましょう。例えば、小規模デイサービスで機能訓練特化している場合は事例を紹介しつつ、テーマについて語る勉強会は主催できるでしょう。小さな勉強会は、特に開業後すぐの段階においては予想以上にデイサービスの営業効果が高いです。これらを1回成功成功させると、持続的なコミュニティができます。持続的なコミュニティは持続的なお客様の紹介にもつながります。そして何より「小さな勉強会」がうまくいく理由は、デイのごく一部の事業所しか行っていないからです。誰もやっていないということはチャンスです。

まとめ

デイサービス 営業

デイサービスの集客アップに役立つ営業方法と営業戦略について最後までお読みいただきありがとうございます。

デイサービスの方の中には、「利用者様のため」「スタッフのため」「社会のため」と自己を犠牲にして運営されている方も多いのではないでしょうか。利己主義が蔓延する業界になることは非常に問題ではありますが、「社会のため」「全体のため」を盾にして自己犠牲が無制限に強制されるべきではありません。利益も非常に重要です。そうでないと、大切な家族やスタッフを守れなくなります。

経営者の立場であれば「従業員には働く仕組みを、お客様には満足のいくサービスを」というふうに、事実論ベースに関わりたいものです。「利用者様は楽しい、笑顔になる」「スタッフは心も豊かになりお金も貯まる」そんな活動が理想だと思います。

そのためにも、今回ご紹介したように自社のデイサービスの強みを整理し、営業方法と営業戦略を立てた上で、実際に営業活動を行うことが重要です。集客性を高め、稼働率アップを目指すことで安定したデイサービス経営を目指していきましょう。

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この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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