福祉用具の選び方について【つえ編】

正しい杖(つえ)の選び方は知っていますか? 杖は、転倒予防や関節への負荷軽減、痛みの軽減目的など使用用途は様々あります。そこで今回は、介護スタッフがご高齢者の杖を選ぶ上で重要なポイントをご紹介します。正しい知識をつけ、ご購入や選定の際にスタッフからオススメして頂ければと思います。

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福祉用具「杖」の選び方のポイント!

杖といっても様々な種類があり、それぞれの杖の特徴をしっかり理解した上で選定していくことが大切です。まずは、それぞれの杖の種類と特徴を理解していきましょう。
杖の種類によっては介護保険の利用でのレンタルが出来ず、購入のみの取り扱いの物もありますし、高さ調整が出来ないタイプもありますので確認が必要です。

1)一本杖
最も一般的な杖の一つで、シャフトがグリップと繋がった1本型になっています。グリップはS字やE字、D字などの形状と握り手の材質にも種類が多種多様あります。

2)折りたたみ式杖・伸縮式杖
折りたたみ式杖はその名の通り、シャフトが4〜5つに分かれて収納できます。持ち歩きに便利ですが、耐久性や一本杖より重いものが多い傾向にあります。

3)ロフストランド杖
前腕カフが設けられており、握り手と前腕の2点で支えます。握力がない方でも使用可能で、杖に比べ、より杖に体重を乗せることができます。

4)松葉杖
支柱上部を脇に挟み、支柱下部の握り手を握ります。基本的には2本1組で操作します。重い体重を支えるのに適した杖で、安定性に優れています。

5)多脚杖(3点杖・4点杖)
杖の脚が3〜4点に分かれており、着地面積が広く、安定性が高いことが特徴です。一本杖に比べて、体重をかけても倒れにくくバランスの不安定な方の歩行訓練にも使われています。

安心介護「歩行補助杖とは 種類と選び方 」
2016年10月8日アクセス

杖を使用する目的ってなに?

杖を使う、勧める場合は、目的や利点をしっかりと理解して使用していくことも重要です。杖を使用する目的・利点を下記に5点ご紹介します。

1)両足+杖で歩行が安定する
両足と杖の3点で支えることができるので歩行が安定します。

2)支持面積を広くする
足を開いている時の方が安定感が増します。同様に杖をつくことで面積が広くなるため、より高い安定感を得られます。

3)荷重の軽減と免荷
足首や膝、股関節に痛みがある人は杖に体重を分散することで関節にかかる負担を減らすことができます。

4)探索機能
高齢になり、目が見えにくいなど視覚的な障害がある場合、手で触れることができない足元や遠くのものに気付くことができます。

5)心理的効果
杖を持つことで、バランスを崩した際に支えとなり安心感を得られます。

杖の高さを調整しよう!

杖を購入したら、早速杖の高さを調整しましょう。

高さが合っていない杖を使用していると手首や肘、肩に過剰な力が入り、長時間使用すると疲労感が増強してしまいます。また、その姿勢が長期化すると、痛みの慢性化や姿勢の崩れなどから歩行自体に支障をきたす場合もあります。

高さの調整方法は以下の3通りです。基本的には、履物を履いて立った状態で調整することをオススメします。

1)床から大転子の高さ
※大転子とは、お尻〜太ももの外側に突出している骨のこと
2)床から茎状突起の高さ
※茎状突起とは、手首の外側に突出している骨のこと
3)肘を約30度曲げてつま先から前方・外側に15cmの位置で握れる高さ
※あくまで一般的な調整方法で、脚や腕の長さには個人差があります。ご利用者様の最も使いやすい、高さに設定することをオススメします。

杖の使用方法を整理しよう!

杖は、原則的にケガをしていない側の手に握ります。そうすることで、ケガや痛みのある脚が杖によって体重を分散してくれる効果が期待できます。また、両足と杖で作られる面積が広くなる事で、より安定した歩行をすることができます。

最近では、杖の先(つえ先ゴム)が広く、滑りにくいタイプも販売されているようですので、不安な方はそちらもオススメします。

杖歩行の介助方法を理解しよう!

杖を使用されている方の介助をする場合は、介助位置を理解しておきましょう。

1)介助者は、患側(ケガや痛みのある側)に立つ
2)介助者は、身体(体幹)をできるだけ密着させる
3)介助者は、対象者の腋窩(脇の下)に手を添える
4)必要であれば、介助者は腋窩と手の両方を握る

杖愛用者に必要な筋力強化トレーニングをしよう!

 
 

杖をご利用中の場合は、以下のポイントが想定されます。

①第三者による支えがないと不安定になる
②不安定な場所での移動に不安がある
③長距離の移動などの体力に自信がない

そのため、立位のバランスに必要な筋力トレーニングをご紹介していきます。

杖愛用者に必要なバランストレーニングをしよう!

 
 

次に立位バランスに必要なバランストレーニングをご紹介します。

こちらの運動では、腰を回す、膝を回す、脚を回す運動を行うことでバランストレーニングとしての効果が期待できます。また、重心の移動や患側への荷重のトレーニングにも効果が期待できます。

まとめ

福祉用具の中でも「杖」は、崩れかけた前後・左右のバランスを補助してくれる役割があります。ご利用者によっては転倒予防の目的に導入する場合もあります。
スタッフが正しい知識を持ち、提案として提供していくこともよいのではないでしょうか。その際に、今回の記事を参考にして頂ければ幸いです。

「リハプラン」では、今回紹介した運動以外にも様々の道具を使用した運動を多数ご紹介しております。皆様の毎日が充実した、輝かしい日々につながるよう、ご協力が出来れば幸いです。

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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