高齢者の笑顔体操|みんなでできる表情筋トレーニング・ストレッチ

機能訓練

口腔機能

更新日:2024/04/07

表情は喜怒哀楽の感情を表現します。高齢になると人との交流が減ったり、パーキンソンや脳梗塞などの影響により、顔の筋肉を動かす機会が減少します。また、口周りの動きや肺活量も低下しやすくなる為、声が小さくなることもあります。今回はそんな「表情筋のトレーニングとストレッチ」の方法をご紹介していきます。

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表情筋トレーニングで期待できる効果とは

高齢になると人との交流が減ることで顔の筋肉を動かす機会が減ります。また、パーキンソンや脳梗塞などの疾患の影響によって口周りや肺活量も低下しやすくなる為、声が小さくなることもしばしばみられます。

そこで日頃から表情筋を鍛えて行きましょう。表情筋を鍛えることによって様々な効果が期待されます。

  1. 表情が豊かになる顔の表情の表現が豊かになり、喜怒哀楽を示すことができる。
  2. たるみが解消されるシワの改善ではなく、皮膚が引き上がり弾力を保つことができるのでたるみが解消される。
  3. 目のクマやくすみが軽減する顔全体の血液の循環が改善されていくことで目のクマやくすみが軽減される。
  4. むくみが軽減する新陳代謝が促進され、顔に溜まった老廃物が排出されやすくなるため、むくみの改善が期待できる。
  5. 免疫力が上がる笑ったり、笑顔が増えると癌細胞やウイルス感染細胞などを攻撃するNK細胞が活性化すると示唆されています。
  6. 唾液分泌が増える食べ物をまとめる唾液の分泌量が増加します。
  7. 生活の質(QOL)の改善に有効かも…ある調査ではパタカラ体操を含めた表情筋トレーニングを3.0~4.5分/回、4回/1日、24週間実施して「食欲不振」「胃が張る」「便秘」「頭痛」「めまい」「関節痛」などのスコアが有意に改善したと報告もあります。

表情筋と舌の関係性とは

私達の顔には目や口、鼻などを動かす筋肉が約60種類も存在しています。
年齢をかさねると眼球を支える筋肉が衰えることで、目の下のたるみやクマができやすくなります。また、ほうれい線も頬と口元の筋肉が衰えるため、シワやたるみがはっきりしてきます。

人は、食物を食べる(咀嚼)する際に、咀嚼筋や顎関節、舌や頬などと周囲の組織がバランスを取りながら働くことによって円滑的に摂取できるようになっています。そのため、トレーニングを行う際は、表情筋(顔面筋)だけでなく、舌の運動も行うことが重要と言えます。

参照:平井 敏博 老年歯科医学「高齢者における咬合・咀嚼機能の維持」(2016年9月26日アクセス)

表情筋トレーニング①「頬」のマッサージをしよう!

それでは表情筋のトレーニングを始めていきます。

頬には、食べ物を噛むときに働く咬筋や頬筋、大頬骨筋などが存在します。まずは頬の周りをストレッチして食べる準備をしていきましょう。

表情筋トレーニング②「耳」のストレッチをしよう!

次に耳周辺の筋肉をストレッチしていきます。

耳の周辺には、咬筋や側頭筋、胸鎖乳頭筋、耳介筋などが存在しています。耳からストレッチしていくことで、これらの筋肉を和らげる効果が期待できます。

表情筋トレーニング③「唇」のストレッチをしよう!

続いて唇のストレッチです。唇周辺をストレッチすることで、食べこぼしを防ぐための口輪筋の柔軟性を高める効果が期待できます。

【このような方にオススメ】口が「へ」の字になっている方ドライマウスの方滑舌が悪い方表情が乏しい方

表情筋トレーニング④「舌」の運動をしよう!

舌のトレーニングをご紹介します。

舌は、口に入った食べ物をまとめる、食べ物を奥に運ぶ、そして飲み込むなどの重要な役割があります。これらの一連の動作がうまくいかないことで、食べ物を喉に詰まらせてしまったり、誤嚥性の肺炎を起こしたりすることもあります。対象としている方の舌はどうか、是非確認してみてください。

【こんな方にオススメ】
口腔内残渣や食塊形成がうまくできない食べこぼしが多いムセが多い

表情筋トレーニング⑤「顔」の運動をしよう!

こちらの運動では、様々な顔の表情をダイナミックに行う顔の表情筋トレーニングとなります。
表情は、顔を構成する様々な筋肉により成すものですが、特に口のまわりの筋肉が大きな役割を果たします。表情筋訓練を含む健康増進プログラムを24週間施行により、消化器系自覚症状の改善、唾液分泌の上昇、高次脳神経機能の改善などQOL改善に有効であったとの報告もあります。継続的にこれらの運動を取り入れていきましょう。

参照:石川玄子  「介護老健施設入所高齢者における表情筋訓練を含む健康増進プログラムの有効性」(2016年9月26日アクセス)

いかがでしたか。今回は「表情筋トレーニング」についてご紹介しました。
表情筋はとても薄い筋肉ですので、鍛えるというよりも日々継続的に運動していくことが重要です。短時間で、多くのメリットが得られる顔筋肉トレーニングを今すぐ始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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