腹横筋トレーニングまとめ|体幹の安定性を手にいれよう!

腹横筋(ふくおうきん)とは、どこの筋肉か知っていますか?腹筋群のインナーマッスルとして知られる腹横筋は、呼吸筋として息を吐く際に働きます。また、腹横筋の中部は体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させる力として関与します。また、腹圧を高めて排便を補助したり、腰への負担が軽減するといった効果も期待できます。今回はそんな腹横筋のトレーニング方法をまとめてご紹介します。

腹横筋の働きと効果とは

腹横筋(ふくおうきん)は、横隔膜(おうかくまく)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と共に腹筋群のインナーマッスルとして知られており、主に腹式呼吸で息を吐く(呼気)場合に最も働く筋肉です。

いわゆる、お腹を凹ませる時に働く筋肉です。

また、腹横筋の上部は胸郭を固定し、中部下部は体幹の安定性を高める働きがあるとされており、多裂筋と共に体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させ、姿勢を保つ役割としても働きます。

姿勢を保つと言っても脊椎の働きには関与しないため体幹の動きは特に起こりません。むしろ、背筋が伸びた美しい姿勢や正しい姿勢を保持するために重要な筋肉となります。

腹横筋は、直接的に体の動きには関与していませんが、この筋肉をトレーニングすることで日常生活の中でこのような効果が期待できるとされています。


【腹横筋の日常生活での効果】
・腹式呼吸時に息が強く、深く吐けるようになる
・腰の安定性が高まる(コルセット)
・体幹全体の姿勢を安定させる
・せきやくしゃみがしっかりとできるようになる
・排便や分娩時に腹圧を高めて出やすくなる
・ぽっこりお腹を引き締める


さらに、近年では腹横筋に関して研究者の方から重要な論文等も多く公開されています。
それらの見解を基に腹横筋のトレーニングについて考えていきましょう。

吉川幸次郎, and 丸山仁司. "姿勢変化に伴う腹横筋の作用." 理学療法科学 23.4 (2008): 535-538.2017年4月6日アクセス

腹横筋はどこのあるのか?

腹横筋の働きや効果を学んだ後は、腹横筋の位置や神経支配などもう少し詳しく学んでいきたいと思います。まず、腹横筋は体のどこにある筋肉なのでしょうか?その位置や神経支配について解説します。


【腹横筋の起始】
第7~第12肋軟骨、胸腰筋膜、鼡頚靭帯、腸骨稜に付着

【腹横筋の停止】
剣状突起、白線、恥骨に付着

【腹横筋の神経支配】
肋間神経(T7~T16)
腸骨下腹神経(T12~L1)
腸骨鼡径神経(L1~L2)

【腹横筋の機能解剖からみる知見】
腹横筋は、腹筋の中でも最も深い場所に位置します。腹横筋の筋肉の構造上、走行が横方向になっていることからお腹の圧を高めることができます。


腹横筋を鍛えると日常生活で起こる腰痛を予防したり、深い深呼吸が出来るようになります。しかしながら、腹横筋は体幹の動きにほどんど貢献していないため、トレーニングすることが難しい筋肉でもあります。

そこで次章より腹横筋のトレーニングを生活シーンに合わせて取り組みやすいように姿勢別でご紹介します。

あまり体全体を動かさない特徴的な鍛え方ですので、しっかり覚えていきましょう!

腹横筋を鍛えるトレーニング | 椅子に座って編

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それでは、トレーニングが特徴的な腹横筋の鍛え方をご紹介していきます。

まずこちらの運動は、椅子に座ったままできる腹横筋のトレーニングです。腹横筋、呼吸を補助する筋であることから、腹式呼吸を意識する「通称=ドローイン」から取り組んで行きましょう。

座ってできる腹横筋トレーニングは、寝たままの姿勢よりも腹横筋をより効果的に鍛えることができると報告されています。そのため椅子に座っていることができる方は、こちらのトレーニングがオススメです。

これらのトレーニングを続けることで腹腔の内圧を高める効果がありますので、便秘気味の方や腰痛予防をしたい方、美しい姿勢を目指している方にもおすすめです。

姿勢および骨盤傾斜の違いによる腹部引き込み運動時の腹横筋厚の変化(2017年4月6日アクセス)

腹横筋を鍛えるトレーニング | 寝たまま姿勢編

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こちらの運動は、寝たままの姿勢でできる腹横筋のトレーニングです。

本来ストレッチのような運動になりますが、大きく息を吐くタイミングを意識することによって腹横筋を効果的に鍛えることができます。運動の際は、腕を上げる特に息を「スーーッ」っと大きく吸いこむように意識しましょう。

腹横筋の運動は、立位や椅子に座ってなどの抗重力運動の方が効果的とされていますが、ご高齢者のようにベッドに寝たままでないと難しい方にはオススメのトレーニングです。

腹横筋を鍛えるトレーニング | 膝立ち編

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こちらの運動は、膝立ちでできる腹横筋のトレーニングです。一般的に「サイドベント」と呼ばれるエクササイズです。

膝立ち姿勢で上半身を横に倒す(側屈)することで腹横筋を鍛えることができます。

運動のポイントとして息を大きく吐くことを意識することをオススメします。

腹横筋を鍛えるトレーニング | 立位編

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立ってでできる腹横筋のトレーニングです。

両手をあげることによって、体幹の安定性を高めようと腹横筋の上部線維が働き、胸郭を固定します。さらに息を吸い込むことによって、呼吸筋である腹横筋の収縮を促します。

運動は、息を大きく吸って吐く深呼吸を10回程度行いましょう。

 

【終わりに】
腹横筋のトレーニングについては様々な見解があり、対象によっても運動レシピは変化します。本稿では一つの考え方を示唆するものであり、妥当性を検討したものでありません。あしからずご了承ください。

 

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著者プロフィール

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大屋 祐貴

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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